集音器コラム
2018.05.23
聞こえが悪くなったら骨伝導を使えば良く聞こえる?
骨伝導なら良く聞こえるのでは・・
弊社は集音器を販売しているので、そういったお問合せがあります。
補聴器や集音器は数多く世の中に出ていますが骨伝導は以外と少ないですよね。
私たちの耳は空気の振動を拾って、鼓膜からその奥にある蝸牛(かぎゅう)という部分に振動が伝わり、そこから脳に電気信号として伝わり、音として聞こえます。
骨伝導はこの空気の振動の変りに骨の振動で蝸牛に振動が伝わり、音として聞こえます。
ここでポイントですが、
いずれの場合も音を感じるのは蝸牛という器官です。
歳を取ると一般的には蝸牛の機能自体も低下しますので、骨伝導を使えば無条件によく聞こえるという訳ではないのです。
蝸牛に問題がなく、そこに行くまでの音の通り道に問題がある場合(空気の振動が伝わりにくい場合)には骨伝導は有効的です。
この音の通り道に問題がある難聴を伝音性難聴(でんおんせいなんちょう)と言います。
蝸牛の機能が低下し、音が聞こえづらくなる難聴を感音性難聴(かんおんせいなんちょう)と言います。
伝音性難聴と感音性難聴どちらの症状がある場合を混合性難聴(こんごうせいなんちょう)と言い、加齢による老人性難聴(加齢性難聴)はこの混合性難聴のケースが多くなります。
但し、伝音か感音かどちらの症状が強いかは個人差があります。
骨伝導で100%聞こえが良くなるのであれば、世の中の補聴器具はすべて骨伝導に置き換わっていることでしょう。
音を増幅して空気の振動で伝える機器(イヤホン等)と、骨の振動で伝える骨伝導の機器。
どちらが良いかは使う方の症状によります。