集音器の用語解説「周波数」について
集音器の用語解説「周波数」について
集音器や補聴器のカタログや、聴力検査などで当たり前のように出てくる「周波数」という単語。
そのまま訳すと
“周“期的な”波“の”数“になります。
ほとんどの方は学校で「習っているから知っているよ!」と思われるでしょうが、あらためて復習してみましょう。
まずは補聴器や集音器でよく出てくる1000Hzについて説明します。
単純に言いますと1000Hzは1秒間の間に1000回の波の振動です。
100Hzであれば1秒間に100回、10000Hzであれば1秒間に10000回の振動があります。
Hzはヘルツと読み、ヘルツの由来はドイツの物理学者の人名から来ています。
この周波数Hzは次の公式で表現されます。
fは周波数[Hz]、Tは振動の周期[S(秒)]となります。
fは英語の周波数を示す、frequencyの頭文字。
Sは英語の秒を示す、Secondの頭文字。
英語で周期はperiodになるのですが、物理では周期をTで表現します。
1000Hzの場合、周期はいくつになるでしょう。
公式は次のように変化できます。
この時、Tは1÷1000で、0.001s(秒)になります。
0.001秒で1回の振動。
これを逆に周波数の式①に入れると、1÷0.001で1000Hzになります。
0が増えるとわかりづらくなりますので、このような場合は一般的に次のように表記します。
1000Hz → 1kHz (1キロヘルツ)
10000Hz → 10kHz (10キロヘルツ)
0.001s → 1ms (1ミリ秒)
“k”は10の3乗 (10×10×10)
“m”は10の-3乗です。
ここまでは理屈でした。
高い音、低い音は空気や物体の振動で作られます。
なにげなく聞いているテレビの音、携帯の着信音などはスピーカで空気を振動させ、音を伝えています。
- 高い音は周波数が高い(空気の振動数が多い)
- 低い音は周波数が低い(空気の振動数が低い)
この空気の振動が人の耳の鼓膜に伝わり、耳の中の有毛細胞に伝わり、脳に伝わり、音として認識します。
人の耳で聞くことのできる音の周波数は一般的に20Hz~20kHzと言われていますが個人差もありますし、高齢化により聴こえる周波数の範囲は衰えていきます。
10kHzの音は1秒間に10000回の空気の振動になりますが、こんな空気の振動を拾って聞き取れる人の耳ってすごいですね。
余談ですが、空気の振動は20kHzが上限ではなく、それ以上の音も人の耳に聞こえないだけであります。
それが”超音波”になります。
超音波と聞くと普段聞いている音とは全く別物のようなイメージですが、その正体は人の耳に聞こえない音(空気の振動)です。