声が大きい人は耳が遠いってホント?
声が大きい人は耳が遠いってホント?
日常的に大きな声で話す人は耳の聞こえが悪いからといったことを聞きますが、本当に声が大きい人は、耳の聞こえが悪いのでしょうか?
声が大きい人の要因は、
1.聴力がもともと低い
2.何らかの障害による聴力の低下
3.身体の仕組み的に生まれつき声が通りやすい
4.育った環境による影響
5.わざと大きな声を出している
といったものが要因になっているといわれています。
以上のことから、”声が大きい=耳が遠い”とは言い切れませんが、要因の1つではあります。
なぜ?聴力が低い人や聴力が低下した人は声が大きくなるのでしょうか?
人は声を出すときに、その時の場所や場面によって音量を変えています。
またその時の音量を記憶していて、その時に近い状況が起きるとそれに合わせた音量で話を始めますが、その時に自分で発した声を自分の耳で聞き、適切な音量に随時変更していきます。
その自分の声を聴くという行動をするときに、聴力が低下していると、今発した声は小さく聞こえたから、もう少し音量を上げようといった、脳の動きが始まります。
そのため次に発する声は前回発した声より大きな声になってしまい、それが基準の声だと脳が覚えてしまうため、普通に話をするときでも声が大きくなってしまいます。
では、補聴器や集音器を使って、聞こえの補助をすれば、話す声も小さくなるのでしょうか?
先ほど述べたことからすれば、”聞こえがよくなる=声が小さくなる”ですが、すべての人にそれが当てはまるわけではありません。
また先ほど述べたことも、突然声が大きくなったわけではなく、永年月をかけて、聴力の低下とともに、声も大きくなってきているため、補聴器や集音器を付けたから、すぐに話し声が小さくなるといったものではありませんが徐々に時間をかけて小さくなる可能性はあります。
しかし、冒頭でも記載した育った環境による影響の場合には、元々聞こえが悪いわけではないので補聴器や集音器を使っても声が小さくはなりません。ただ今までより大きな声が聞こえてくるので、声が小さくなる可能性はあります。
わざと大きな声を出している人は、何等か意味があってやっているので、耳の聞こえとは関係がないです。
もし自分の話し声が大きいと気になる方は一度耳鼻科で聴力検査を受けてみると、思わぬことが発見されるかもしれません。
通常の健康診断での聴力検査は一般的には1000Hzと4000Hzの2回所のみで判定をするため、それ以外の帯域での聞こえは測定していないからです。
文中に出てきた「補聴器」と「集音器」はどこが違うの?なぜ分けてるの?と思った方は、
ここで「補聴器と集音器」の違いについて詳しく説明しています。