補聴器・集音器は難聴が軽度のときから使い始めた方が良い理由
補聴器・集音器は難聴が軽度のときから使い始めた方が良い理由
加齢に伴う難聴は、徐々に聞こえにくくなるため、本人は気づきにくいものです。
また、補聴器や集音器を初めて使うときは大なり小なり抵抗を感じるため、
使い始めるタイミングは遅くなりがちです。
しかし、難聴が軽いうちから使い始めた方が使用する人にとって高い効果が期待できます。
加齢性難聴の場合、聴力は高音域から徐々に低下し、聞こえの幅が狭くなります。加えて、音の明瞭度も下がってきます。個人差はありますが、「音は聞こえているのに言葉が聞き取れない」というように、音をいくら大きくしても聞き分ける力が低下してきます。
さらに、音を処理する脳の機能も年齢とともに衰えてくるため、言葉の意味を理解するのに時間がかかるようになります。
ではここで、聞こえのチェックです。
・テレビの音量が大きいと言われる
・会話で聞き返しが多くなった
・電話やインターホンの音が聞きづらくなった
・あいさつや呼びかけに気付かないことがある
・聞き間違いが多い
・声は聞こえるのに言葉として聞き取りにくい
・周りが騒がしいと会話が聞き取れない
上の項目に当てはまることがあれば難聴の疑いがあります。耳鼻咽喉科で詳しい検査を受けることをお勧めします。
補聴器・集音器を難聴が軽度なときから使い始めると難聴が進行してしまうのではないかと心配される方もみえますが、聴力にあったものであれば、耳に悪影響を及ぼすことはまずありません。むしろ、難聴が軽度なうちから使い始めた方が、高齢になって難聴が進んでから初めて付けた人に比べて同じ聴力でもよく聞き取れる傾向があります。
なぜならば、聞き取りには耳ではなく脳が関係しているからです。
筋肉は使っていないと衰えていくように、音を聞く脳の回路も常に刺激を受けていないとだんだん働きが鈍くなっていきます。なので、早い時期から使い始めた方が脳の聞く力を持続させることができると言われています。
また、補聴器・集音器の取り扱いも高齢になるほど難しくなります。年齢的にも余裕のあるうちから使い始め、慣れておくのがよいでしょう。