音のない曲「4分33秒」
音のない曲「演奏=音を出すことではない」
まだまだ寝苦しい夜が続きますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
私は愛知県の外れに住んでいるため、夜になるとカエルや虫の大合唱が聞こえてきます。
これはこれで夏の終わりを感じ風流だなぁと思う反面、
気になりだすとうるさく感じてしまい寝付くことができません。
実はカエルの声には安眠効果があるそうなのですが俄かには信じられないです・・・。
結局耐え切れずに窓を閉めクーラーをつけて寝てしまうこともしばしば・・・。
ところで、
皆さんはジョン・ケージが作曲した『4’33』という曲をご存じでしょうか?
1952年に誕生したこの曲は3楽章から成り、その楽譜に書いてあるのは”tacet”の文字のみです。
ちなみにこの「TACET(タセット)」とは、
音楽用語で「比較的長い間の休み」「楽章にわたり休止」などを意味します。
つまり、この『4’33』という楽曲では、演奏者は1楽章から3楽章までの4分33秒を
ただひたすらに楽器から音を出さず座っていることになります。
この曲はピアノの他、オーケストラで演奏されたこともあります。
もちろん、たくさんの楽器が集まっていたとしても音を出さず座り続けるのみです。
実際に行われた演奏の流れは、
まず、指揮者や演奏者も所定の位置につき演奏の姿勢で待機します。
そして曲が始まるのですが、楽譜に書かれているのは”tacet”の文字のみです。
休みという指示なので4分33秒全く演奏する事無く曲は終了します。
そして指揮者と演奏者は聴衆に対して一礼して
聴衆は「4分33秒」の無音の音楽に対して拍手を送ります。
演奏者が出てきたと思ったら楽器の前でひたすらじっとしているなんて、
ちょっと不安な気持ちになりそうです。
しかし実際には『4’33』は無音を表現した曲ではないそうです。
ジョン・ケージいわく
「無音ではなく演奏会場内の衣擦れなどの雑音、
鳥の声や木々のさざめき、会場のざわめきなどに耳を傾けるのが
この曲の本当の楽しみ方」
だそうです。
あえて無音を作り出すことで
日頃聞き流している日常の音を改めて聞くことができるのかもしれないですね。
とりあえずはカエルの声や虫の鳴き声を楽しめるぐらいの心の余裕を持ってみたいと思います。
しかし、せっかくの演奏会場内のいろいろな音も聞こえなければそれを楽しむこともできません。
そんな時には弊社の集音器「デカ音くん」や「Phontec」がお役に立てるかもしれません。