耳から学ぶ言語
生後6ヵ月までは世界のどんな言語でも聞き分ける能力を持っている
近年グローバル化を意識して、幼少期から英語教育を行うご家庭が増えています。大人になってからの言語習得は時間の確保や聴覚の影響でなかなか難しいそうです。私も大学時代英語を学んでいましたが、何を言っているか聞き取れず苦労したのを鮮明に覚えています。
人間が生きている期間で最も耳がいいのは生後10か月までの赤ちゃんだそうです。ある研究によると赤ちゃんは生後6ヵ月までは世界のどんな言語でも聞き分ける能力を持っていて、バイリンガルやトリリンガルの家庭でも同様に違いを判別できるそうです。それまでに最も耳にする母語だけを取捨選択していき生後10か月を過ぎると母語を聞き分けるために適した状態へ変化していきます。この潜在能力は赤ちゃんだけでなく子どもにも少なからず残っている例もあるそうで、本当にうらやましい限りです。
耳の機能は生まれた後にいろいろな音を聞くことで形成されていき、特に3歳までは急激に発達することから「耳の黄金期」とも呼ばれています。声だけでなく音楽や音を聞くことで生きるために必要な音を耳から脳へ伝達し記憶していくため、幼いころから音楽をたくさん聴いている人ほど絶対音感が育つようです。年を重ねるごとに脳機能も形成され、新しい音を聞き取る能力は低下してしまいます。そのため幼少期からの英語教育が増えているという現状になっています。
また、言語によっても周波数が異なり、日本語は130Hz~1500Hz、フランス語は1000Hz~3000Hz、英語は2000Hz~12000Hz、イタリア語は2000Hz~4000Hzとなります。日本語は他言語と比べると抑揚のない言語ですが、英語は抑揚やアクセントも極端で周波数が高いため、慣れていないと聞きとることが難しいそうです。さらに大人になってから学んだ場合でも、ネイティブスピーカーより周波数が低い傾向にあるそうです。
人種や生まれた国で周波数が決まるわけではなく、早いうちから音を聞くことで幅広い周波数を聞き取れるようになります。意味を理解していなくても幼少期から聞いていると音の高低が分かるようになり、大人になってからでも聞き取れる周波数の範囲が広くなります。
コロナウイルスの影響でLCCや航空会社が大打撃を受けており、破産したというニュースも見かけます。一刻も早く世界が収束に向かって、自由に海外に行ける日常に戻ればと願うばかりです。