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耳は音のタイムマシン?

耳に残る懐かしい音、記憶と感情のつながり

ふとした瞬間、耳に届いた音が、思いがけず心の奥深くに眠っていた記憶を呼び覚ますことはありませんか。

 

例えば、駅のホームで流れる発車メロディが学生時代の通学路での思い出と共に懐かしさを感じたり、

カフェで流れる懐かしい曲がその当時の思い出を鮮やかに蘇らせることもあるのではないでしょうか。

 

なぜ、特定の音が、私たちの過去の記憶を呼び覚ます鍵となるのでしょうか。

 

 

脳と音

その秘密は、脳の構造と働きに隠されているようです。

 

音は、視覚よりも直接的に感情に触れる力を持っていると言われています。

これは、聴覚が脳の扁桃体(へんとうたい)海馬(かいば)といった、感情の処理や記憶の形成を司る領域と密接に結びついているためです。

 

音は耳から入ってくると、まずこれらの感情や記憶を司る部位に非常に近い経路を通ることが知られています。

 

視覚情報などが、一度大脳皮質で処理されてからこれらの部位に送られるのに対し、聴覚情報はよりダイレクトに感情や記憶と結びつきやすい特性を持っているのです。

 

つまり、耳から入った音は私たちの心のタイムカプセルを開ける鍵のような存在なのです。

 

 

思い出となる音

ある人にとっては、母親や父親が台所で料理しているときの包丁の音が家庭の温もりや安心感の象徴であり、

また別の人にとっては、夏祭りの太鼓の音が子ども時代の自由で無邪気な時間を思い出させるかもしれません。

 

音は、私たちの人生の風景を、色鮮やかに再生してくれるのです。

 

興味深いのは、音が過去を呼び起こすだけでなく、未来の記憶を形作ることもあるという点です。

 

例えば、今住んでいる街の環境音や、毎朝聞くアラーム音、通勤途中に流れるラジオの声や音楽の数々、

何気なく耳にしている音が数年後には「懐かしい」と感じ、未来の自分にとって「思い出の音」になるかもしれません。

 

だからこそ、日々の音に少しだけ意識を向けてみると、人生はもっと豊かに感じられるのではないかと思います。

 

 

日々の音を

忙しい日常の中で、耳に入ってくる音を「ただの雑音」として流してしまうのではなく、「これはどんな記憶と結びつくだろう?」と立ち止まってみる。

 

そんな小さな意識の変化が、私たちの感受性を育て、日々の暮らしに深みを与えてくれるのではないでしょうか。

 

耳は、私たちを過去へと連れて行くタイムマシンであり、未来の記憶を紡ぐレコーダーでもあり、

音に耳を澄ませることは、自分自身の人生にもう一度出会い直すことなのかもしれません。

 

日常の中で耳にする音に意識を向けることで、私たちの人生はより豊かで深いものになるのです。

 

 

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