気づきにくい耳の老化
あなたの耳年齢は?
耳年齢チェックという言葉をどこかで耳にしたことはありますか?
SNSや動画サイトでたびたび見るそれは、スマホから流れる高音(モスキート音)を聞き取れるかどうかで自分の耳年齢を図るというちょっと変わった診断です。
「10代の音が聞こえない」「私は40歳の耳だった」と耳の衰えに気付くいい機会になっています。
聴力は視力とは違い、悪化することに気づきにくいです。
このコラムでは耳年齢チェックを入り口に、補聴器の現在、そして聴力について掘り下げていきます。
耳の老化

人の耳は年齢とともに高い音から徐々に聞こえにくくなるという性質があります。
これは蝸牛(かぎゅう)と呼ばれる器官の有毛細胞が損傷するため起こります。
有毛細胞は細胞毎に担当する音の高さが決まっていて、手前側に高い音を担当する有毛細胞があり、
奥に低い音を担当する有毛細胞があります。
そのため、高い音が聞こえれば聞こえるほど、損傷している有毛細胞が少なく、
耳年齢が若いということになります。
聴力と社会問題

現代では、その耳年齢が加齢ではなく、イヤホンやヘッドホンで低下していることが問題になっています。
音楽を聴くときに、長時間・大音量でリスニングして、耳にストレスを与えており、
WHOは2022年時点で10億人以上の人が大音量により、聴力を失う危険性があると発表しました。
また、睡眠不足、ストレス、耳のケア不足でも聴力低下を引き起こすとして、
聴力の問題は現代人なら年齢を問わず誰にでも起こりえることだといえます。
耳を守るために

そのため補聴器の装着が推奨されています。
補聴器というと「年寄り臭い」「目立つ」といったネガティブな印象を持つ人も少なくありません。
でも今は、耳を強化するデジタルガジェットとして補聴器は使われています。
最近では、AIを搭載した補聴器だと、周囲の音を判断して、必要な音や聞きたい音をクリアに聞かせることや、
聞こえた言語をその場で翻訳する自動翻訳機能がついています。
こうした技術で、補聴器は誰でも使えるデジタルデバイスと姿を変えました。
若い人でも、会話が聞き取りづらいため、授業が聞き取りづらいために補聴器を使う人が増えています。
さいごに
耳年齢チェックは聴力の変化に気付く第一歩です。
聴力の低下は年齢の低下に関係なくおきうるもののため、早めの意識と対策が大切です。
補聴器も進化し、若い世代にも使いやすいデバイスとなっています。
耳の健康を守ることはこれからの暮らしをより豊かにすることにつながります。

