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聴覚障害者はパラリンピックに参加できない

聴覚障害者はパラリンピックになぜ参加できないのか?

表彰台に立つ女性

2020年東京オリンピックまで残すところあと、1年となりました。

しかし、難聴者は身体障害者を対象としたパラリンピックには出場することができません。それは、デフリンピックという聾者のオリンピックがあるからです。

1989年に国際パラリンピック委員会が発足した当時は、国際聾者スポーツ委員会も加盟していましたが、デフリンピックの独創性を追及するために、1995年に組織を離れました。

そのため、パラリンピックには聾者が参加できない状況が続いているようです。

 

デフリンピックとは

障害当事者である聾者自身が運営する、聾者のための国際的なスポーツ大会です。

夏季大会と、冬季大会があります。参加者が、国際手話によるコミュニケーションで友好を深められるところに大きな特徴があります。手話は世界共通ではないので、スポーツ大会や国際規模の会議や会合では国際手話が用いられます。(デフリンピックの公式HPでは、国際手話の紹介が掲載されています。)

また、デフリンピックのルールは、ほぼオリンピックのルールに準じていますが、競技に必要な音声情報やコミュニケーションの全てが視覚的な合図や国際手話により、視覚的に保障された競技環境が構築されています。サッカーなどでは、主審もフラッグを持っており、水泳や陸上、空手の競技などにはランプが設置されています。

第1回の夏季デフリンピックは1924年にフランスで、冬季デフリンピックは1949年オーストリアで開催されました。

 

参加資格

デフリンピックにも参加資格はあります。

・資格損失が55デシベルを超えている聴覚障害者

・各国の聾者スポーツ協会に加盟している者

補聴器や人口内耳に体外パーツは競技会場に入ったら、練習時間や試合時間に関係なく、補聴器等を使用するのは禁止されています。これは、選手同士が耳の聞こえない立場でプレーするという公平性の観点によるものです。

 

 

国際聾者スポーツ委員会がデフリンピックは運営しています。

1924年の設立以来、デフリンピックや聾者世界選手権の大会開催、各国の聾者のスポーツの振興など着実な取り組みを続けています。

現在の加盟国は104カ国です。

また、夏季デフリンピックが始まった1924年のフランス大会は9カ国の出場でしたが、2017年のトルコのサムスン大会では86カ国が参加しました。競技数も、19種類あります。

冬季のデフリンピックが始まった1949年のオーストリアの大会では5カ国の出場でしたが、2016年のロシアのハンティーマンシースクの大会では27カ国が出場と、夏季、冬季とも出場国が増えていっています。

 

日本人選手の活躍

日本人選手も活躍しています。

2017年のトルコのサムスン大会(夏季)では、金6個、銀9個、銅12個と過去最多となる27個のメダルを獲っています。

世界7位の獲得点数になっています。

2015年のロシアのハンティーマンシースク大会(冬季)では、金3個、銀1個、銅1個と過去最高の5個のメダルととっています。

 

そして、冬季のデフリンピックがイタリアとスイスの県境のヴァルテッリーナ地方で2019年12月に開催されます。

開催期間は12月12日~12月21日です。

 

ぜひ、2020年の東京オリンピックの前に、2019年の12月に開催されるデフリンピックに注目してみてはいかがしょうか?

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