オージオグラムの見方をわかりやすくExcelで作ってみました
みなさんは聴力検査を受けたことがありますか?
私が会社で定期的に受けている健康診断では、
左右の耳で2パターンの音(ピー)を聞いて、聞こえているかを、スイッチを押して回答しています。
この時点で聞こえる人は問題ないですが、聞こえない人はさらに精密な検査が必要に・・。
精密検査では聞こえの程度を詳しく調べます。
もっと周波数(音の高さ)を細かくして、その周波数毎にどこまで小さい音が聞こえるのかを測定します。
その結果を図で表したのがオージオグラムです。
弊社ではポケット型の集音器「デカ音くん」、ヘッドフォン型の集音器「フォンテック」を販売しています。
集音器業界では聴力の度合いを見る際には、このオージオグラムを使うことが一般的となっています。
通常は検査機器や検査データを取り込んだパソコンから結果を出力するのですが、今回はこのオージオグラムをExcelにて作ってみました。
オージオグラム_Excel
オージオグラム_Excel
(↑エクセルデータにリンク)
左右それぞれ聴力レベルを入力すると、グラフに表示されます。
数値は細かく入力できますが、検査機器では通常5dB間隔になります。
このオージオグラムのグラフの表示で、○は右耳、×は左耳を表しています。
(骨導聴力というものもあるのですが、今回は省略しています)
聞こえの程度は、縦軸グラフの下に行くほど悪く、上に行くほど良くなります。
これは、グラフの下に行くほど、検査機器から大きな音を出さないと聞こえないということを意味しています。
周波数(音の高さ)の聞こえの程度は、横軸グラフで表されます。
左に行くほど音が低く、右に行くほど高くなります。
人の声は個人差がありますので参考程度ですが、男性で500Hz、女性で800Hz程度です。
時報では、ピッピッピッ(440Hz)・・ポーン(880Hz)という周波数になっています。
さてこのグラフはそもそも何を基準にしているのでしょうか?
このグラフは若い成人の正常な人が聞こえる最も小さな音を0のラインとして基準にしています。
ということは、
というグラフになれば、若い成人では理想ということになります。
成人が基準ということは、さらに若い年代の人は0のラインより上に行くこともあるでしょうが、
聴力が悪くないのに検査する意味ってあるのかな?…と思ってしまいますね。
平均聴力とは?
日本では、500Hz、1000Hz、2000Hzの3つの周波数の聴力の測定結果より、平均聴力を算出しています。
4分法と呼ばれる方式で、計算方法は次のようになります。
( dB(500Hz) + 2×dB(1kHz) + dB(2kHz) ) ÷ 4
足し算して、平均値を出しているだけですが、1kHzだけ2倍しています。
この平均聴力を元に、軽度難聴や重度難聴など難聴の度合いを判断しています。
ちなみに、4000Hz、8000Hzが全く聞こえなくても、
2000Hzまでの音が普通に聞こえれば、判定基準で行くと”正常”になるわけです。(実際にはそんな極端な例はまずないですが)
なんだか不思議ですね。
歳を取ると?
一般的に高い音が聞こえなくなっていきます。
人の声はそんなに高くないから問題ないのでは?
ということもなく、高い音が聞こえなくなると聞こえの明瞭度が悪くなります。
例えば、FMラジオとAMラジオを聞き比べた場合、FMラジオのほうが音質がいいですよね。
FMラジオのほうがAMラジオより使用している周波数の幅が広いため、そう聞こえます。
耳が悪くなってくると、FMラジオの音質で聞こえたのがAMラジオの音質で聞こえるようになる。
あくまでイメージですが、そういったことが起こります。
関連記事:なぜ歳を取ると聞こえが悪くなるの? 老人性難聴について
オージオグラムのExcel表について
このExcelデータは、教育用資料として作成しました。
聴力の数値を入力すれば、グラフに表示ができると共に平均聴力が算出できます。
オージオグラム Excelデータ
(Excel 2013にて作成)
Excelシートにロックはかけていませんので、自由に改変できます。
”オージオグラムより平均聴力を求めよ”といった使い方や、”難聴のレベルを判定せよ”といった利用ができるかなと思っています。
ご自由に改変して使っていただいて結構ですが、データの再配布はお止めください。