人の耳の周波数の感度は? 等ラウドネス曲線のやさしい解説
人の耳に聞こえる音の大きさは、どんな周波数でも一定?
ではなく、周波数によって耳に聞こえる音の大きさは変ります。
人の耳は周波数によって聴こえる音の大きさ(耳の感度)が違うのですが、
この聴こえ方をグラフにしたものが等ラウドネス曲線というものです。
1000Hzの音を基準とし、これと同じ大きさに聴こえる音圧レベル(音の大きさ)を周波数ごとに結んで表したものです。
この等ラウドネス曲線について文章ではわかりづらいので、図示でわかりやすく説明したいと思います。
このグラフでは、1000Hzの周波数で20dBの音圧レベルの時、人の耳で20ホンの音の大きさに聴こえることを意味します。
(ミドリ線)
ホン (phon) は、ラウドネス(音の聴覚的な強さ)の単位です。
同様に1000Hzの所では、40dBの音圧で40ホン、60dBの音圧で60ホンになっています。
1000Hzが基準になっていますね。
この20ホンの赤い線を伝っていくとどうなるでしょう。
60dBの音圧レベルの時、周波数は60Hzです。
(オレンジ線)
これは60Hzの周波数で、人の耳で20ホンの音の大きさで聞こえるためには60dBの音圧レベル(音の大きさ)が必要ということです。
大きな音を出さないと聴こえない。
それは1000Hzの音より60Hzの音の方が聴き取りづらいことを示します。
一番小さな音でも聴こえるのはどこでしょう。
赤い線を伝っていくと、3000~4000Hzの周波数のときの
音圧レベルが低くなっています。
これは1000Hzの音より聴き取りやすいことを示しています。
(ピンク線)
結果、人の耳の特長として
- 低い周波数の感度が悪い(鈍感)
- 3000~4000Hz付近の音の感度が良い(敏感)
- 5000Hz以上の高い音の感度が悪い
となります。
この「等ラウドネス曲線」を何に使うのでしょう。
・警告のブザー音を聴き取りやすい周波数で鳴らす。
・人の耳の特性に合わせて、音響機器を設計する。
そういった形で等ラウドネス曲線は活用されています。
補聴器や集音器でも活用はされていますが、この等ラウドネス曲線は聴力の衰えていない”若者の耳の聴こえ”を元に作られています。
高齢者の聴こえで「等ラウドネス曲線」を作ったら??
高齢になると一般的に高い周波数の音が聴こえづらくなりますので、違った形のグラフになりますね。
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