耳掃除の頻度に注意やりすぎは耳疾患の原因に
耳掃除のやりすぎに注意
ついつい気持ちよくてやってしまう耳掃除ですが…
気持ちよさに気を取られてやりすぎてしまい、耳の中に炎症など起こしてしまうことをよく聞きます。
実際、私もついつい耳掃除をやると長い時間をかけて掃除をしてしまうことがあります。
本来耳掃除にかける時間は片耳で1分~2分程度と言われています。
なんとなく気になってさらに奥へと耳かきを深くまで入れてしまうと耳垢をどんどん奥深くにいれてしまいます。場合よっては耳の中を傷つけ炎症を起こしてしまう可能性があります。
逆に耳掃除を全くしないのも問題です。耳垢が溜まりすぎてしまい耳が聞こえなくなったり湿疹の原因になってしまう可能性があります。
そもそも耳垢とは、耳穴の皮膚の表皮細胞や外部からのホコリなどと耳垢腺からの分泌液が混ざったものだそうです。皮膚の細胞は、外耳道の入り口から3cm奥あたりの鼓膜付近から、ゆっくりと耳の外に向かって移動します。この移動してきた古い皮膚の細胞は入り口から1cmのところで剥がれ落ち、耳垢腺からの分泌物と混ざりながら、耳垢になります。
なので、通常の耳垢を取る耳掃除は耳穴の1㎝くらいの深さまでの範囲で十分のようです。
耳の病気(疾患)について
耳掃除に限らず、体のケアのやりすぎは炎症などの原因になることがあります。
耳掃除と耳疾患にも関係があり、場合によっては耳掃除のやりすぎによって以下のような症状が起こってしまう可能性があります。
耳垢塞栓(じこうせんそく)
耳垢がたまることで、外耳道をふさいでしまっている状態のことです。
自然に起こることもありますが、耳掃除で耳垢を押し込むことが原因になることもあります。本来、人間の耳は自然に少しずつ耳垢が出てくる構造をしているのですが、耳垢が湿っている人は耳垢が自然に外に出にくいため、どんどん奥にやってしまう傾向があります。
外耳炎
外耳道に炎症が起こっている状態です。耳掃除の際に外耳道を傷つけてしまい、そこから感染し炎症を起こします。
また、プールなどの汚い水が外耳道に入り込むことでふやけた耳垢が細菌感染をして炎症を起こし、耳の痛みや耳だれが生じることもあります。
外耳道外傷
外耳道が傷つくことによって、痛みや出血が起こる状態です。耳掃除の際に外耳道や鼓膜を破ってしまうことがあります。耳掃除の最中に人とぶつかったりすることで、思いがけず耳の奥の方まで触ってしまい鼓膜を破ってしまうこともあります。
これらの症状だけでなく場合によっては症状が悪化し耳が聴こえなくなるような最悪の状況になってしまうので、耳掃除はほどほどにするよう心がけましょう。
また、耳垢には耳の穴の乾燥を防いだり、防虫効果や殺菌作用があると言われています。耳垢は耳を守ってくれる役割もありますので、耳掃除のやりすぎには注意してください。
耳に違和感がある場合や、うまく耳掃除ができているか不安な場合は、耳鼻科の医師に診てもらいましょう。
耳垢がたくさん取れると嬉しくて、ついついやってしまいがちの耳掃除ですが、少しでも耳掃除の危険性を知っていただければ幸いです。
これまでにも耳に関するコラムを載せていますので是非ご覧ください。