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第64回日本聴覚医学会総会・学術講演会に参加して「軟骨伝導」とは

聴覚医学会に参加

以前の集音器コラムにて第63回聴覚医学会に参加した時の様子を書いたと思います。

それに次いで2019年11月に大阪国際会議場の方で開かれた、第64回聴覚医学会の方にも社員二人で参加してきました。

当社は補聴器(医療機器)ではなく集音器(電子機器)を製造し販売しているのですが、聴覚についての知見を広めるため参加しています。

”補聴器と集音器の違い”については当ホームページの集音器コラム内で解説しているので、参考までに目を通していただければと思います。

 

今回は大分日が経ってしまいましたが、第64回聴覚医学会とそのあとに行われた補聴研究会に参加したなかで印象に残っていることを書きたいと思います。

 

学会の研究発表について

その時の学会の発表の中で、軟骨伝導補聴器に関する研究発表が多くみられました。

 

軟骨伝導というのは気導や骨伝導に次いで第三の音伝導の経路だそうです。

当ホームページの集音器コラム内で気導や骨伝導については簡単にですが書いてきたと思うのですが、軟骨伝導に関してはまだまだ新しい分野なので、これからどういった形で進歩していくかを注視していければいいなと思います。

軟骨伝導は骨伝導と同様、イヤホンなどにもこれから使われていくのではないかと言われてますが、特に今は医療、補聴器として使う研究が進んでいるそうです。

 

この軟骨伝導の補聴器が販売されてますが、外耳道閉鎖症の方には特に効果が期待できるそうです。

なぜかというと外耳道閉鎖症というのは書いて字のごとく、生まれつきや病気によって外耳の部分(耳の穴)が塞がったり狭かったりしている状態の方のことを言います。

耳の構造

音は空気を振動して伝わるというのが基本ですが、その症状の方は、その通り道が狭かったり塞がったりしているので、気導による補聴器や集音器の場合、効果が大分薄くなってしまいます。

 

軟骨伝導の場合はその外耳道を通して振動を伝えるわけでなく、耳介にある軟骨(自分の耳を触ってもらえれば柔らかい骨があると思います)に端子を触れさせ、外耳道を通すことなく、音を伝えることが出来るそうです。

 

この軟骨伝導の補聴器は前述した特定の病状の方の難聴者に特に向いているということで、今まで普通の補聴器などではだめだった人にとって選択肢が増えたというのは良いことだなと学会に参加していて思いました。

 

次に聴覚医学会の後にありました、補聴研究会にも参加したのですが、その中でEMC(電磁両立性)と呼ばれるものがありました。電子機器にはその機器自体から他の機器に干渉するノイズが出てないか、他の機器からのノイズの影響を受けないかなどの基準があります。補聴器の場合は小型ということもあり、問題となる部分(他の機器に干渉する等)が限定的だったそうですが、携帯電話の普及によりその問題が顕在化してきたそうです。

これは集音器にも全く当てはまらないということではないなと聞いていて思いました。そうした時世にあったサポートや商品設計を心掛けていくという意識をこれからも持たなければいけないなと思います。

 

ちなみに弊社が販売している集音器「デカ音くん」は得意というわけではないですが、電話での使用も可能ですので、使用方法はよくある質問の方をご参照いただければと思います。

 

余談ですが、2020年の第65回聴覚医学会は名古屋飛ばしとならず、名古屋市のウインク愛知の方で開催されるそうです。

 

こうした学会参加による情報の収集や集音器コラムによる情報発信、良い商品の開発など、難聴に悩まされている方のサポートができるよう尽力していきますので、宜しくお願い致します。

 

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