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集音器コラム 2020.03.16

集音器と骨伝導の仕組みについて

骨伝導を利用した集音器があるのをご存じでしょうか?

皆さんが知る従来のスピーカーを利用した集音器は、利用される方の多くに馴染み深いと思います。この従来の集音器は、マイクから音を拾い音量を増幅させる又は音質を調整してスピーカーから音を出して耳に届けるという仕組みになっています。この原理は補聴器も集音器も同じです。

⇒集音器と補聴器の違い

骨伝導とはそもそも何でしょう?

骨伝導は蝸牛(かぎゅう)という聴覚神経部分へ“鼓膜などを通すことなく内耳に直接音が届く”仕組みです。ちなみに、耳をふさいだ状態でも自分の声が聞こえるのはこの骨伝導の原理です。

集音器を骨伝導にする場合は耳の穴からスピーカーで音を流すのではなく、振動を伝える部分をこめかみなどに当てて使います。これにより従来の集音器では聞き取りにくいという人にも音が聞き取れるようになる場合があります。

耳の構造イラスト

骨伝導に関するニュース

㈱ドン・キホーテが2020 年2月 21 日(金)からプライベートブランド「情熱価格プラス」の新商品として骨伝導ワイヤレスイヤホン『JOGBONE(ジョグボーン)』を一部店舗 を除きますが、全国の系列店舗で発売開始しました。価格は税抜きで5,980 円です。

ジョグボーンは集音器ではありませんが、まだ馴染みの浅い骨伝導を試すのにはいい機会かもしれませんね。私も買ってみようかな…

この骨伝導イヤホンは、骨などを振動させて聴覚神経にダイレクトで音を伝えます。鼓膜を介して音を伝える従来のイヤホンとは音の伝え方が異なるので長時間音楽を聴いていても耳が疲れにくいようです。耳穴を塞がずに音楽を聴くことができるので、音楽を楽しみながらの会話が可能で、周囲の音を逃さず聞くことができます。

 

骨伝導を利用した集音器

 

従来の集音器との違いを簡単にまとめてみました。

従来の集音器 骨伝導の集音器

伝える音の

種類

気導音 骨導音
 

音の伝わり方

 

音が空気を伝って鼓膜(中耳)を振動させ、聴覚神経(内耳)に届く 音の振動が頭蓋骨などを伝わり直接、聴覚神経(内耳)に届く
 

効果的な

症状・場合

 

老化などの原因で耳が遠くなってきた、言葉が聞き取りにくくなってきた場合 伝音難聴※など。耳穴に機械を入れるのに抵抗がある場合
 

聞こえる音の

感じ

 

本来、聞き取る音量を上げてきく感じ、すべての音が増幅される製品が多いため煩く感じる場合がある。 音が少しこもった感じ、低音が聞きにくい傾向がある。耳を塞がないため、より安全性に優れている。
※伝音難聴:外耳道、鼓膜、耳小骨に異常があり、音がうまく伝わらない事が原因の難聴

 

 

上記のいずれの場合も音を感じるのは蝸牛という耳の器官です。

人間は歳を取ると一般的には蝸牛の機能自体も徐々に低下してきます。なので、必ずしも骨伝導を使えば無条件によく聞こえるという訳ではありません。蝸牛に問題がなく、そこに行くまでの音の通り道に問題がある場合(空気の振動が伝わりにくい場合)には骨伝導は有効的と言えます。

 

 

集音器や補聴器は、どの製品が一番とはなかなか言い切れません。

ご利用者様それぞれ症状が違うようにその人に合う製品も様々だからです。

ここまでご紹介したように、骨伝導の集音器の性能を理解していただき、選択肢の一つとして利用者様自身にあった集音器や補聴器を選んでいただけたら幸いです。

弊社のヘッドホン型集音器「Phonte(フォンテック)」、イヤホン型集音器「デカ音くん」もぜひ一度お試し頂ければと存じます。

 

関連記事①:イヤホン・ヘッドホンの仕様の見方は? 最大許容入力って高いほどいいの?

関連記事②:集音器や補聴器を使い始める際に気を付けなけなければいけないこと

関連記事③:補聴器・集音器の形状の違いによるメリット・デメリットを解説

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