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集音器コラム 2019.07.01

イヤホン・ヘッドホンの仕様の見方は? 最大許容入力って高いほどいいの?

弊社のポケット型集音器「デカ音くん」はイヤホンで聴くタイプです。

デカ音くんに付属のイヤホンは、デカ音くんとセットでの使用を前提としていますので特にイヤホン自体の性能を意識する必要はありません。

集音器のイメージ

ですが家電店に行くと、数多くのイヤホンやヘッドホンが販売されています。

色々なイヤホン、ヘッドホンが置かれていますが、さてどれがいいのやら。

今回はイヤホンつながりで、イヤホンやヘッドホンの仕様の見方について説明します。

 

市販のイヤホンやヘッドホンでは一般的に次のような仕様が表記されています。

 

—イヤホン仕様 (例)—

出力音圧レベルもしくは感度 102dB/1mW/1kHz

再生周波数帯域  20~20,000Hz

インピーダンス  16Ω/1kHz

最大許容入力    100mW

 

出力音圧レベルまたは感度

“音圧”や”感度”という表現がそもそもわかりづらいですね。

メーカにより”出力音圧レベル”と表記したり、”感度”と表記したりまちまちです。

 

出力音圧レベルもしくは感度はイヤホンから出力される音の大きさを表しています。

上記の例のイヤホンでは、イヤホンに1mW/1kHzの信号(電力)を加えたときに、102dBの音がでます。

音圧は正式にはdB SPL(Sound Pressure Level)になるのですが、省略表記されていることが多いです。

 

dBは対数といい、ある基準の数値からの比較になります。

dB SPLは20μPaという人の耳が聞き取れる最小の音を0dBとしています。

 

20dBで10倍、40dBで100倍・・・100dBは100,000倍です。

ちなみに、ここでの計算式は、dB = 20log10(倍率)となります。

 

20log10(100倍)の場合、log10*(10^2)=2となり、20*2=40dBとなります。

1000倍の場合、log10*(10^3)=3となり、20*3=60dBとなります。

 

逆の計算は、倍率 = 10^(dB/20)になります。

10^(40dB/20)の場合、10^2にて、100倍になります。

 

 

—表記について補足—

Log10は常用対数

*は× 、/は÷ 、^は乗

10^3は10の3乗  10×10×10で1000です。

 

計算式では、Excelの記述方法で表記しています。

Excelで次の例のように式を作れば計算結果がでます。

 

倍率→dBを求める場合 (例1000倍)

=20*LOG10(10^3)

dB→倍率を求める場合 (例 40dB)

=10^(40/20)

————————-

 

この式で計算すると 0dBを基準とする倍率は

100dB : 100,000倍

102dB : 125,893倍

104dB : 158,489倍

106dB : 199,526倍

108dB : 251,189倍

110dB : 316,228倍

 

となり・・・正直良く分からない倍率になります(笑)

 

100dB/1mWと106dB/1mWのイヤホンでは同じ信号を加えた場合で

約2倍、音の大きさが違うことになります。

 

とはいっても、100dBと106dBで音の大きさが違うなとわかっても

「ああ、これは2倍は音量が違うね」と人の耳が正確に感じ取れるわけではありません。

ちなみに100dBの音の目安は、電車のガード下、地下鉄構内(通過電車)の音です。

110dBの音の目安は、自動車のクラクションの音になるので簡単に言うと”爆音”です。

 

再生周波数帯域

イヤホンやヘッドホンがどの周波数まで再生できるのかという範囲を示しています。

15,000kHz以上の音は成人には普通、聞こえないです。

また、イヤホンの仕様に20~20,000Hzという表記があったとして、どの周波数でも同じ音量で音が出ているわけではありません。

例えば1kHzと3kHzで20dB SPL音の大きさが違うなんてことも普通にあります。

尚、再生周波数帯域が極端に低い、例えば5,000Hzまでといったイヤホンやヘッドホンなどはまずありません。

よって再生周波数帯域は音によほどのこだわりがない限り、あまり気にしなくても良いものです。

ハイレゾ対応のイヤホンでは40,000Hzやら50,000Hzといったものがありますが、音としては聞こえません。

ただ、音としては聞こえなくても余韻として人の耳には感じ取れると言われています。

私はハイレゾという言葉が出る前の世代、DVDオーディオ(知ってます?)を所有していますが、音は良く聞こえる気がします。

 

インピーダンス

さらにわかりづらいものが出てきました。

16Ω/1kHzという表記は、1kHzの交流信号に対し、16Ωの抵抗(交流抵抗)になるということです。

32Ω/1kHzであれば32Ωの抵抗。

数値が大きいほど、信号が流れにくくなります。

 

ちなみに1kHzで16Ωではありますが、周波数により抵抗値は変化します。

 

仮にアンプの出力電圧をVp-p(ピーク-ピーク)が6V 、Vrm(実効値)が2.12V、1kHzとします。

Vrm = Vp-p / 2√2です。

 

このアンプに

16Ωのイヤホンを接続すると、イヤホンに約281mW供給されます。

32Ωのイヤホンを接続すると、イヤホンに約140mW供給されます。

8Ωのイヤホンを接続すると、イヤホンに約562mW供給されます。

 

イヤホンに出せる音の大きさは、イヤホンに供給される電力(電圧×電流)により決まります。

 

計算式は、W(電力) = V(電圧) * I(電流)

I = V / R(抵抗)というオームの法則より、W = V^2 / Rです。

16オームの場合、

W = 2.12^2 / 16 = 0.2809W ≒ 281.3mW

 

32Ωより8Ωのほうが供給される電力が大きいので、同じ条件(アンプからの出力が同じ)であれば8Ωのイヤホンのほうが大きな音がでます。

 

ですが、アンプには音量調整ボリュームがあります。

調整すれば、先ほどの出力電圧も変化し、接続したイヤホンやヘッドホンの音量も変ります。

なので、実際の所は、気にする必要もないかと思います。

 

逆にインピーダンスが高いイヤホンは、音が小さくなる。

ということは、大きな出力の出るアンプが必要ということになります。

 

参考に、学校の壁や事務所の天井についているスピーカのインピーダンスは3.3kΩ、5kΩ、10kΩ等です。

桁が全く違いますね。

これらのスピーカを鳴らすためのアンプはどれだけの電圧を出していると思います?

70Vや100Vの出力電圧です。

 

最大許容入力

どれだけの信号(電力)の入力にイヤホンやヘッドホンが耐えられるかが、最大許容入力になります。

例えば、最大許容入力が10mW、16Ω/1kHzのイヤホンは、どの程度の電圧まで加えられるのでしょうか?

 

W = V^2 / R

10mW = 0.4^2V / 16Ω

Vrms = 0.4V Vp-p = Vrms * 2√2

0.4 * 2√2 = 1.13 Vp-pになります。

 

この電圧までは耐えられますが、これを超える電圧を印加した場合は

音が歪んだり、びびったり、最悪の場合は壊れるといったことになります。

 

私もイヤホンに試験的に過大な電圧をかけて試したことがありますが、音がびびります。

簡単に言うと、へんな音になります。

 

ですが、先ほどの102dB/1mWといったイヤホンであれば、10mWを加えなくても1mWで十分に大きな音がでます。

よほどの爆音で聴くようなことがない限りはあまり気にする必要はありません。

 

ちなみに最大許容入力は、”どこまで耐えられるか?” を示す数値でありイヤホンやヘッドホンからでる音の大きさや、音の良し悪しには一切関係がありません。

 

 

結局の所、音の良さは?

 

あれこれ書いてきましたが、イヤホンやヘッドホンの仕様にはどこにも”音の良さ”を示すものはありませんでした。

 

結局の所、仕様では音の良し悪しは一切わからないです。

 

じゃあどうするの?というと聴いてみるしかありません。

 

音を出す振動板(大きさ、材質)、振動板を固定する構造、音漏れを防ぐ構造、諸々の条件が組み合わさって音は出ています。

 

インターネットで他の人の評価を見ることもできますが、音の良し悪しは、聞いた人の好みが入ります。

食べ物の好き嫌いと同じで、人が良いといったものが、自分が良いと思うとは限りませんが

参考にはなりますね。

 

のめり込み出すと、非常にお金がかかるのがオーディオの世界です。

高級なオーディオでは云百万ということもざらですが、高級イヤホンであればそこまでの出費をしなくてもいい音を楽しめると考えれば、非常に費用対効果の高いものかもしれませんね。

 

最後に

高齢になるにつれ聴力は低下していきますが、過大な音で聴くと耳にダメージを与えます。

なるべく長い間、いい音で音楽が楽しめるよう、イヤホンやヘッドホンの音量には気をつけてください。

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