耳の聞こえ方、絶対音感、相対音感
音に対する聞こえ方「絶対音感」と「相対音感」の違い
弊社では、補聴器や集音器、耳にまつわるものなどを題材にしたコラムを書いています。ということで今回は、「耳の聞こえ方」について書きたいと思います。
皆様は、「絶対音感」と「相対音感」というものをご存じでしょうか。テレビで取り上げられることもあるので、知っているという方も多いかもしれません。私自身も耳にしたことはあるのですが、詳しいことは知らなかったので今回取り上げようと思った次第でございます。
絶対音感
まずはじめに「絶対音感」とは、外的な基準音なしに音楽的音高(音の高さ)を同定したり産出したりする能力であると一般的に定義されています。
例えば、ピアノから出された音が「ド」の1音だけならば、ピアノのけん盤を見ることなく即座に「ド」と確実に聞き分けられることができるというものです。「絶対音感」は耳の成長期(~7歳)に適切な訓練をすると身に付くとされていますが、訓練を受けた全員が身に付くというものではありません。
相対音感
「絶対音感」に対して「相対音感」というものがあります。「相対音感」とは、基準となる音(純音および楽音)との相対的な音程によって音の高さを識別する能力のことです。「相対音感」は誰しもが持っているもので、訓練によってその精度を高めることができます。ポイントは、「音の高低」を感じられればいいという点で、具体的な音名や階名がわかるレベルになくても「相対音感」があるといえるということです。
それぞれの難点について
「絶対音感」は一度身に付ければ、大人になっても活きる能力とも言われています。
しかし、この能力には個人差があり全ての音が音名で聞こえるわけではないそうです。テレビでは、救急車のサイレンや電車の音、掃除機の音などの生活音も音名や和音で聞こえてくるため集中できない、ストレスに感じるというのを見たことがあります。
「相対音感」だけを持つ人は「絶対音感」とは違い基準音を提示されないと音名を答えることが難しいそうです。
ですので、キーが変わっても「相対音感」の人は音の高低を聴き取りすべて音階の「ドレミファソラシド」と聴こえるのに対して、絶対音感の人は個々の音を聴き分けているのでキーが変わるごとに♯や♭も付いた状態で一つ一つの音が聴こえるようです。
捕捉になりますが、ここで言う”キーが変わる”とは基準音が変わることを指しています。(「ドレミファソラシド」の場合、キーは「C」となり基準音は「ド」となります。)
キー「D」の場合 (基準音は「レ」)
絶対音感の人「レミ♯ファソラシ♯ドレ」
相対音感の人「ドレミファソラシド」
キー「G」の場合 (基準音は「ソ」)
絶対音感の人「ソラシドレミ♯ファソ」
相対音感の人「ドレミファソラシド」
キー「F」の場合 (基準音は「ファ」)
絶対音感の人「ファソラ♭シドレミファ」
相対音感の人「ドレミファソラシド」
という感じです。
前提として、実際に演奏するときに出す音、聴こえる音の高さは同じです。出す音、鳴っている音に対する呼び名が違うだけです。
私自身このような能力は一切持っていないため、どのように聞こえるか非常に気になります。ですが、どのようなものに対してもメリット、デメリットはついてくるものですね。
同じ音や音楽を聴いていても聞こえ方が違うというのは、実に不思議で面白いものですね。今回、書かせて頂いた冒頭で「絶対音感を身に着けるのに~7歳まで…」と書きましたが人の耳が成長しきるのがその年齢だそうです。また耳は、加齢とともに能力が低下していきます。老人性難聴は70歳以上の半数が悩んでいるともいわれています。耳の聞こえに不安のある方、難聴でお困りの方がおられましたら弊社ではイヤホン型の「デカ音(おと)くん」やヘッドホン型の「Phonetec(フォンテック)」等の集音器を取り扱っております。デカ音くんに関しましては無料での貸し出しも行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。