人の声はどこまで届く? 音の大きさと到達距離の関係
声はどこまで届く?
声が大きいほど遠くまで聞こえる。言わずもがな、これはご承知の通りだと思います。
では実際、音はどの程度の距離まで届くのでしょう。
音の大きさと到達距離の関係
声の大きさや騒音の大きさはSPL(Sound Pressure Level)で表すのですが、
これは、人が聞き取れるもっとも小さい音である20μPaを0dBSPL(基準)として、そこからどれだけ大きい音になったかで表します。
dB(デシベル)で表さないと、かなり大きな数字で表さないといけないため、dB表記が用いられています。
音の減衰量は 20 log (P1/P2)で表されます。
P1 : 距離 (m)
P2 : 1m (1mを基準点とする)
として計算すると
例) 2mの場合、20 log (2/1) = 20×log2 = 20 × 0.3 = 6dB
10mの場合、20 log (10/1) = 20×log10 = 20 × 1 = 20dB
距離P1が長くなると、減衰量(dB)は大きくなっていきます。(表1)
表1
距離と音の減衰量の関係
距離(m) | 減衰量(dB) |
1 | 0 |
2 | 6 |
5 | 14 |
10 | 20 |
20 | 26 |
50 | 34 |
100 | 40 |
200 | 46 |
500 | 54 |
1000 | 60 |
2000 | 66 |
5000 | 74 |
10000 | 80 |
距離が2倍になると、6dB、距離が10倍になると20dB減衰します。
例として表1の距離10mは20dB、20mは26dBで10m→20mで6dB減衰
100mは40dB、1000mは60dBで100→1000mで20dB減衰となっています。
人の声はどこまで
では、人の声はどこまで届くのでしょうか?
普段の生活で無音の環境はなかなかありませんので、周囲の騒音を考える必要があります。
騒音レベルから5~10dB大きな音であればしっかりと識別できます。
下表の静かな事務所の騒音が50dBだとすれば、通常の会話で60dBのレベルがあれば
60-50dB = 10dBの差があるので問題なく聞こえます。
電車通過時の100dB時に、通常の声で会話しようとしても聞こえませんね。
表2
音圧レベル(dB)の音の事例
120 | 飛行機のジェットエンジン |
110 | 車のクラクション |
100 | 電車のガード下、地下鉄構内(通過電車) |
90 | 近くの犬の鳴き声 |
80 | 走っている電車内 |
70 | 騒がしい事務所 |
60 | 通常の会話 |
50 | 静かな事務所 |
40 | 図書館 |
30 | 静かな部屋 |
20 | ほぼ無音 |
0 | 聞き取れる限界値(基準) |
次に表1と表2の組み合わせで考えてみましょう。
表2の通常の会話を10m離れた地点で聞くと、表1より20dB減衰しますので
60dBの通常の会話が40dBで聞こえることになります。
例えば、会議室で話者から10m離れると通常会話程度の声では聞き取りづらくなります。
声の大きさには個人差がありますが、~80dBSPL程度の大声は出せるのではないでしょうか。
80dBあれば、10mで20dB減衰しても60dBありますので問題なく聞こえるでしょう。
実際は声を張り上げて話続けるのは困難なので、会議室では拡声機器(マイクやアンプ、スピーカ)などが用いられる形になります。
音の減衰とその対策
歳をとると、小さい音が聞き取りづらくなっていきます。
上述通り、音は距離が離れると減衰し、周囲の騒音により聞き取りやすさが変わりますので対策としては
①出口の音を大きくする
②耳元で小さい音を大きくする
③騒音の少ない環境にする
の3択となります。
①は家の中で拡声器を・・という訳にはいきませんので、話しかける側が意識して大きめの声でゆっくり話すと相手が聞きやすく効果的です。
テレビの音も大きくすれば聞こえるようにはなりますが、周囲に負担がかかってきます。
②は耳元で小さい音を大きくする集音器や補聴器が使われています。
③は居住環境、生活環境に左右されますので難しいと考えられます。
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