マーサズ・ヴィンヤード手話と共生社会
マーサズ・ヴィンヤード手話と共生社会
かつて、アメリカ東海岸に浮かぶマーサズ・ヴィンヤード島には、世界でも稀有な共生社会が存在していました。
マーサズ・ヴィンヤード島では、閉鎖された地理的条件と遺伝子的要素により遺伝性聴覚障害をもつ島民が多く生まれました。
この島ではマーサズ・ヴィンヤード手話という島独自の手話を聴者も覚え、ろう者(手話を基礎言語として用いる人)が島のコミュニティから孤立することなく、聴者と同じように暮らしていました。
他のろう者のコミュニティは、聴者の人々から孤立することが多い中、このマーサズ・ヴィンヤード手話は、島独自の言語として発展し、人々を結びつける重要な役割を果たしていたのです。
しかし、現代に近づくにつれ外部移住者の増加やろう者の島外への移住により、遺伝性聴覚障害を持つ者が減っていきました。
島の共同体は、他所にありふれた開かれた共同体社会の姿にどんどんと近づいていき、その後マーサズ・ヴィンヤード手話はついに死語となっています。
現在のマーサズ・ヴィンヤード島はリゾート地として知られています。
このマーサズ・ヴィンヤード手話のように先天性難聴の発生率が高い地域の聴覚障害者と聴覚障害者の両方が使用する手話は村落手話(Village sign language)と呼ばれ、世界各地に存在します。
日本でも奄美大島で「奄美大島手話」または「古仁屋手話」、愛媛県今治市宮窪地区で「宮窪手話」と呼ばれる村落手話が存在します。
この島の特異な光景は、現代の私たちにも重要な示唆を与えてくれます。
「障害」とは、その人が持つ身体的な特徴ではなく、社会との関係性の中で生まれるものだということです。
マーサズ・ヴィンヤードでは、「聞こえない」ことは、深刻な障害ではなく、ただの個人の特徴の一つに過ぎませんでした。
言語の壁を超えて実現した共生社会の記憶は、これからの「共生」のあり方を考える上で、貴重な可能性を与えてくれるのではないでしょうか。
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