先天性難聴の野球選手「サイレントK」引退
サイレントK(石井裕也)先天性難聴の野球選手引退
2020年は東京オリンピックイヤーですね。またパラリンピックも開催され障がいのあるトップアスリートも参加できるスポーツの祭典が開かれようとしています。
しかしながら、難聴者はパラリンピックに出場することができなくて、デフリンピックという障害当事者である聾者自身が運営する、聾者のための国際的なスポーツ大会に出場することとなっています。
では難聴者はどのスポーツにおいてもトップアスリートにはなれず、障害者として扱われ注目を浴びることは少なくなる一方なのでしょうか。
皆さんは、石井裕也という一人のプロ野球選手を知っていますか?
彼は、2004年に中日ドラゴンズから6巡目指名を受けその後、横浜、日本ハムと球団を渡り歩き2018年に現役を引退しました。主に中継ぎ投手として活躍が多く、試合終盤の大事な場面で起用されることが多くありました。現役生活14年で330試合に登板を果たし、現役を引退する際には球団から“引退試合”を用意されるなど華々しい活躍だったと言える選手の一人でしょう。
しかし、彼には一つのハンディキャップがありました。それは先天性の難聴ということです。左耳は全く聞こえず、右耳も補聴器でかすかに聞こえる程度だそうです。
そして、マウンドに上がる際には補聴器の電源を切った状態で上がり、その静寂な中、相手打者から三振を奪う姿から彼の愛称は『サイレントK』と名付けられました。
マウンド上では補聴器の電源を切っているので味方野手との連携の際には野手の指差しで判断しているそうですが、優れた瞬間視(一瞬映るものを判断する能力)によって野手の声が届かないハンデをカバーしているそうです。
私は野球観戦が好きなので週末には球場に駆けつけることがあります。もし自分がいわば無音状態で野球観戦をすることになったらと考えると球場には行かなくなると思います。よくよく考えてみると、ボールがバットに当たる音、ボールがグローブに収まる音、お客さんの歓声、ウグイス嬢のアナウンス等と球場には数えきれないほどの音で溢れかえっていると思います。それらの音を聞きに行くのも野球観戦の楽しみの一つです。聞こえなくていいのはお客さんからの心無い野次だけです(笑)
先天性の難聴は世界中1000の出生数に対し1人の割合で起き、新生児で最も多い先天性障害だそうです。先天性難聴の原因は多くの場合は不明ですが、遺伝子の異常が発見されたり、妊娠中のウイルス感染によって起こる場合もあるそうです。
先天性難聴では、できる限り早期に難聴を発見し、正常な言語発達を促すための支援を行うことが重要です。重症度や原因に応じて、補聴器の装着や人工内耳の埋め込み手術をすることもあるようです。
また、先天性難聴ではいくつかの社会的支援を受けることも可能で、身体障害者の認定や医療費助成の申請などを行うことができます。
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